日本の周辺海域には相当量のメタンハイドレートの賦存が見込まれています。メタンハイドレートは燃える氷とも呼ばれ、天然ガス(メタン)が水分子と結びついて海底下の未固結の砂層の孔隙に氷のような状態で存在していますが、その商業生産に成功した事例はありません。あるとわかっているのに活用できない豊富な資源は、かつてのシェールガス・シェールオイルを彷彿とさせます。天然ガス資源のほとんどを輸入に頼っている我が国において、国産資源の開発は、エネルギー安定供給の観点から、継続して取り組むべき課題です。
2019年4月から当社は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)及び国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)と「MH21-S研究開発コンソーシアム」(MH21-S)を組成し、2025年度までの7年間に亘り、砂層型メタンハイドレートの研究開発フェーズ4を経済産業省から受託して、研究開発を継続してきました。2025年度にはこのまとめを報告し、方向性の確認・見直しを経て、新しいフェーズへ移行することが承認されました。
新しいフェーズは2026年度から2029年度までに4年間と計画されており、前フェーズに引き続き、MH21-Sが受託することができました。このフェーズでは2028年度に次回海洋産出試験を実施し、長期・安定生産に向けた技術開発を進めることと産出試験候補位置の貯留層応答を確認することを主な目的としています。
2023年に閣議決定された「第4期海洋基本計画」に基づく「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」の砂層型メタンハイドレートの開発に向けた工程表では、2028~2030年度頃に海洋産出試験を実施し、その後、総合的な検証を実施し、方向性の確認・見直しを経て民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトの開始を目指す」ことが掲げられています。
エネルギーに係る状況変化は、2026年2月末に始まった「米・イラン紛争」を発端とするホルムズ海峡封鎖の影響で、一気に供給不安を引き起こしてしまいます。このような国際情勢の影響を受けにくい天然ガス供給源としてのメタンハイドレートから、安定したガス生産を継続する技術を早急に確立、商業化を実現し、エネルギー供給源の多角化に貢献することが期待されています。
当社は経済産業省主導のもと、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構、国立研究開発法人産業技術総合研究所、ならびに株主各社との連携を図りながら、メタンハイドレート商業化に向けて安全確実な技術の開発を実現し、日本にメタンハイドレード革命を起こすべく、全力を尽くして行きます。
当社事業への一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
日本メタンハイドレート調査株式会社
社 長 吉岡 克平

